高圧ガスには様々な種類があり、それぞれに特徴があります。ガスの特徴を知ることは安全な取扱の第一歩です。
酸 素
液化酸素・酸素ガス
名 称 | / 酸素(O2)oxygen |
純 度 | / 99.5vol%以上 |
容器色 | / 黒色 |
炭酸ガス
液化二酸化炭素(液化炭酸ガス)
名 称 | / 二酸化炭素・炭酸ガス(CO2)carbon dioxide |
純 度 | / 99.5vol%以上 |
容器色 | / 緑色 |
アセチレン
溶解アセチレン
名 称 | / 溶解アセチレン(C2H2)acetylene |
純 度 | / 98vol%以上 |
容器色 | / 褐色 |
窒 素
液化窒素・窒素ガス
名 称 | / 窒素(N2)nitrogen |
純 度 | / 99.99vol%以上 |
容器色 | / ねずみ色 |
アルゴン
液化アルゴン・アルゴンガス
名 称 | / アルゴン(Ar)argon |
純 度 | / 99.99vol%以上 |
容器色 | / ねずみ色 |
ヘリウム
ヘリウムガス
名 称 | / ヘリウム(He)helium |
純 度 | / 99.99vol%以上 |
容器色 | / ねずみ色 |
水 素
圧縮水素
名 称 | / 水素(H2)hydrogen |
純 度 | / 99.99vol%以上 |
容器色 | / 赤色 |
空 気
空気(Air)
名 称 | / 空気(Air) |
純 度 | / 窒 素 約78% 酸 素 約21% アルゴン 約1% |
容器色 | / ねずみ色 |
レーザーガス
レーザー発振器用混合ガス
名 称 | / 3種~5種の混合ガス (レーザー加工機により種類・混合比率が異なる) |
容器色 | / ねずみ色 |
純ガス
標準ガス
純ガス・標準ガス
名 称 | /純ガス(純度によりグレードあり) 標準ガス(各種ガスをご指定の割合にて混合) |
容器色 | / ねずみ色 |
使用用途と適用法令
使用用途 | 規制を受ける法律 | |
工業用途 化学用途 食品用途 農業用途 その他 |
炉等の燃料/FCV車の燃料 | 高圧ガス保安法 消防法 食品衛生法 労働安全衛生法 |
溶断/金属加工/熱処理 | ||
MAG/MIG/TIG溶接のシールドガス | ||
環境分析用ゼロガス/水処理 | ||
食品の保存/酸化防止 | ||
農作物の育成促進/魚類の養殖/水草の育成 | ||
冷却媒体/滅菌 | ||
美容/痩身 | ||
半導体製造工程 |
高圧ガスは使用方法を誤ると大変危険な商品です。安全にご使用いただくために、高圧ガスに関する各種法律についてご案内いたします。
1.高圧ガス保安法
高圧ガス保安法は、高圧ガスによる災害を未然に防ぐため、「製造・貯蔵・販売・移動・その他の取扱」及び「消費や容器の製造」及び「取扱」を規制し、民間事業者及び高圧ガス保安協会による高圧ガスの保安に関する自主的な活動を促進し、公共の安全を確保することを目的としています。高圧ガス保安法による規制は、上記内容について多種多様にあります。規則に従って安全にお取扱いただけるよう、ご案内いたします。
2.消防法
消防法は、火災を予防・警戒・鎮圧し、国民の生命・身体や財産を火災から保護するとともに、火災または地震等の災害による被害を軽減するほかに、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もって安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とする。消防法においても高圧ガスの貯蔵または取扱の届出があります。
3.労働安全衛生法
この法律は、労働基準法 (昭和二十二年法律第四十九号)と相まって、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。労働安全衛生法が規制する範囲は非常に広く、高圧ガス関係においてもかなりの範囲にわたります。
●基本的処置
すべての高圧ガス容器は40℃以下に保持し、バルブを保護し損傷を防止しなければなりません。
容器は通風の良い場所に置き、転倒防止措置を施します。
●使用後・不使用時のお願い
使用後は、容器内に空気が混入しないようガス残圧を残すため、容器に調整器を付けたままバルブを閉め、速やかに返却してください。
使用していない容器のバルブは必ず閉め、バルブを閉めた後は、必ずガス漏れのないことを確認してください。
●ガス別の注意事項
酸素の容器やバルブに油脂類を付着させたり、油のついたままの手袋などで容器を扱ってはいけません。可燃性ガス容器と酸素容器、また充瓶と空瓶とは間隔を空け、区分して置きます。
アセチレン容器は、必ず立てて使用します。構造上、容器内の溶剤が噴出する等危険です。可燃性ガス及び酸素の容器は、不燃性又は難燃性の材料を使用した軽量な屋根でを直射日光から遮らなければなりません。
●乱暴な扱いの禁止
転倒、転落による衝撃等はバルブ・安全装置を損傷させ、ガス漏れや容器破損の原因となります。引きずったり、倒したり、横にして転がしたり、ぶつける等乱暴に取扱ってはいけません。容器を長時間風雨にさらしたり、土砂がかかりやすい所や水溜になりやすい所に放置してはなりません。
※高圧ガス保安法の定める、最高30万円の罰金対象となる貯蔵基準違反の「高圧ガス容器の粗暴な扱い」には、「湿気、水滴による腐食を防止する措置を講じずに腐食が進行しやすい環境に長期間放置する行為も含まれる」とされています。
●別の用途での使用禁止のお願い
容器を他の用途に使わないでください。アークスタートに使ったりすると容器外面の破損から破裂に至ることもあり、大変危険です。ガス溶接・切断の時の台座にしたり、金属を曲げる道具やローラー・テコの枕にするなどの容器本来の目的以外にも絶対使用しないでください。
●喪失盗難事故の届出義務
所有又は占有する高圧ガス又は容器を喪失し、又は盗まれたときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事又は警察に届け出なければならないと定められています。
※この報告を怠ったり虚偽の報告をした場合、高圧ガス保安法により最高30万円の罰金が科せられます。
●長期停滞防止のお願い
全ての高圧ガス容器は高圧の状態でガスを永久的に閉じ込めておけるものではありません。容器は一定期間消費事業所にお貸しするもので、期限経過後には容器内のガスの残量に関わらず回収をさせていただいております。容器の早期返却にご協力をお願いいたします。
●周知文書
高圧ガス(溶接または熱切断用アセチレン・液石ガス、酸素)をご使用いただいているお客様には、1年に1回、高圧ガスの周知文書にて使用時の注意事項をお知らせいたしております。その際には、確認書に署名と捺印をお願いしております。ご協力の程よろしくお願いいたします。
周知させていただく内容
1.使用する消費設備のその販売する高圧ガスに対する適応性に関する基本的な事項について
2.消費設備の操作・管理や点検に関し注意すべき基本的な事項について
3.消費設備を使用する場所の環境に関する基本的な事項について
4.消費設備の変更に関し注意すべき基本的な事項について
5.ガス漏れを感知した場合、その他高圧ガスによる災害が発生、または発生するおそれがある場合に、消費者がとるべき緊急の措置及び販売業者等に対する連絡に関する基本的な事項について
6.前各号に掲げるもののほか、高圧ガスによる災害の発生に防止に関して必要な事項について